子どもの様子
和真くんは、とにかく席ついて食べることができません。
座ったかと思うとすぐに席を立ち、走りまわります。
保育士が横に座って食べさせると口に食べ物入れますが、離れると、また走りまわるの繰り返しです。
「家でできないので、自分で食べていることと、落ち着いて食べていることを、園で厳しくしつけて欲しい」と保護者言っています。
「食べるときは座る」の習慣をつけましょう
まずは、「食べるときは座って」と声を掛けることから始めましょう。
家庭では、とにかく「座って」とことばを掛け、場所はろう下でもどこでも、その場でもよいので座って食べるように指導しましょう。
園では、席で座る習慣をつけるようにします。
食事の途中で席を立ったら、また「座って」と、繰り返し何度でも優しく声を掛けます。
根気強く、優しくことばを掛け続けていくと、2週間ほどで「座る」という習慣を身につけることができると思います。
1歳児には落ち着ける場所が必要です。
1歳児は「自分の場所」「自分の人形」というようなものが必要な時期ですから、保育園では、座る場所や椅子にマークをつけて、自分で座るようにすると良いでしょう。
これを繰り返すことによって一定の見通しを持って行動できるようになるはずです。
個人差はありますが、2歳後半を過ぎると、マークをなくして自分の好きなところに座らせましょう。
発達と環境を見直してみましょう
まずは、和真くんの発達を理解することが必要です。
1歳児も後半になると、「いすに座って食べる」という集団の中でのルールがある程度認識できてくる時期です。
同時に、給食を食べる場が、環境として落ち着けるような状態になっているか、ということも見直してみてはどうでしょうか。
もしそれでも、和真くんが落ち着かないようなら、「いすに座って食べる」という習慣をつけることからスタートしましょう。
習慣がつくまでは、保育者がいつも和真くんの隣にいて、「座ろうね」と優しく声を掛けるようにします。
それでも、やはり立ち上がってしまう場合は、「ごちそうさま」をして席を立つようにします。
「いただきます」「ごちそうさま」のルールだけは、最低限、共有したほうがよいでしょう。
また、1歳児には、長い文章でルールを説明しても理解できません。
2、3語文で、状況に合わせて子どもにわかりやすく話す工夫も必要です。