添い寝の仕方を悩む前に、先ずはゆったりとした気持ちで!
通常、子どもは照明を消してから10分~20分程度で眠りにつきます。
ところが、お母さんが用事を抱えているときなどは、この20分がまるで1時間のように長く感じます。
「早く用事を済ませたいのに」と思えば思うほど焦りやイライラが募ります。
皮肉なことに、お母さんが急いでないときのほうが、はるかに早く子どもが寝つくのです。
お母さんの穏やかな気持ちが、穏やかな空気を作り出すからでしょう。
「急いでいるときこそ、焦らない」。
これが早く寝かしつけるコツなのです。
添い寝中は子どもに向き合いましょう
子どもの寝息が聞こえるまで、横にいるお母さんは暗闇の中でいったいどんなことを考えているのでしょうか。
「ああ、時間がもったいない。早く寝てくれないかな」などと思っていませんか。
それでは焦りが我が子に伝わってしまいます。
せいぜい15分程度なのですから、頭の中で明日の予定を確認するとか、ヘッドホンで好きな音楽を聞くなど有効に使いましょう。
もちろん、かわいい盛りの我が子の寝顔をじっくり眺めて過ごすのも悪くはありません。
すぐに大きくなってしまうのですから。
本の読み聞かせやスキンシップのマッサージなどが一通り終わったら、照明を消して、静かに穏やかに眠りへ導きます。
いつまでもお母さんが話しかけていると、子どもは眠らないようにがんばってしまいます。
例外として、お母さんの歌やハミング、お話を聞いているとすんなり眠りにつける子の場合は、このような方法で締めくくってもいいでしょう。
お母さん自身が歌を歌ったり、ハミングしたりすることに負担を感じているのであれば、無理に実行する必要はありません。
「嫌だな」とか「面倒だな」という思いが必ず態度に表れ、穏やかなひとときを作れなくなるからです。
就寝時刻に適度に疲れていてくれるのが理想的ですが、疲れていない場合や逆に過度に疲れている場合、いくら「寝なさい」と言っても抵抗するばかりです。
適度に疲れさせるには、元気に体を動かす遊びは朝から夕食までの間に盛り込み、夕食以降は静かに過ごすようにします。
特に日中は新鮮な空気を体にたっぷり取り入れ、十分に体を動かします。
そして、疲れすぎにならないように早めに就寝させます。
毎日規則正しく実行することで、体内時計と睡眠スケジュールがうまく合うようになります。
短時間で寝かしつけるには
早く寝かしつけようと、焦れば焦るほど時間がかかるもの。
穏やかな気持ちでゆったり接したほうが、早く寝てくれます。
単に甘えて「行かないで」とダダをこねているのではなく、子どもなりの理由があるとわかってはいても、忙しいお母さんやパパにとって、眠るまでずっとそばにいるのは大変なことです。
すぐに寝ついてくれるのなら、添い寝は少しも苦にならないという家庭は多いはずです。
でも子どもがなかなか寝ついてくれないと、家事などができず、添い寝をしながらイライラしてしまうお母さんも少なくありません。
うっかり朝まで一緒に眠ってしまったお母さんもいるのではないでしょうか。
長時間子どものベッドにとどまりたくないけれど、早々に引き上げて泣かれたり騒がれたりしても困ります。
ところが添い寝をしてもしなくても、結局、長時間寝ついてくれない子ども多いようです。
ほとんどの子どもは、眠りにつくまで親がそばにいてくれれば、あとはひとりですやすやと眠るものです。
中には、夜中に突然目を覚ますため、一晩中そばに親がいないとダメな子もいます。
そろそろ添い寝をやめたい
そろそろ添い寝をやめたいと思う時期に差しかかると、いつもそのことが気になってしまいますね。
しかし、いきなりひとりで寝なさいというのは無理な話です。
段階を踏んで、徐々に独り寝に切り替えます。
お母さんがいなくてもひとりで眠ってくれると大助かりですが、そうなるまでが容易ではありません。
なきじゃくる子どもを残してドアを閉め、泣き寝入りさせる「力技」もあるのですが、これはこれで別の問題を引き起こす可能性があります。
そこで独り寝に移行する上手な方法を紹介します。
独り寝移行作戦はいきなりではなく徐々に進めていきます。
いつものように照明を消して子どもが眠気を催してきたところで、「ママ、トイレに行ってくる。すぐ戻るね」とか「靴下を取ってくるね」、「時計を見てくるね」と言って寝室から出ます。
戻るのは2、3分後。
目安としては、子どもが不安がって起き出したり、不機嫌になったりしない程度にします。
そして5分ほどしたら、再び適当な理由をつけて同じように寝室を抜け出します。
何日か続けているうちに、抜け出しても戻ってきてくれると思うようになるので、いつまでもお母さんの戻りを待つこともありません。
お母さんが抜け出すときに、子どもがベッドでおとなしく待っていてくれない場合は作戦変更です。
たとえば、部屋を出るのではなく、窓のカギがかかっているか確認するとか、靴下を履くなどの口実を作ってベッドから離れます。
ただし、部屋からは出ないようにしてください。
数分したらベッドに戻ります。
慣れてきたら、次は短時間だけ部屋の外に出る作戦に移していきます。
部屋を出るときのキーワードは「戻ってくるよ」
何日か試してみて特に問題ないようであれば、部屋を離れている時間を徐々に長くしていきます。
もちろん、部屋を出るときのセリフも「すぐに戻ってくるよ」ではなく「ちゃんと戻ってくるよ」などに変えないと、ウソをついたことになるので要注意。
たとえば現在は添い寝をしていて、子どもと体が密着している場合、作戦の第1段階はベッドの中で体が触れない程度に離れてみましょう。
不安がるようなら、手を軽く体に添えてあげてください。
ぬいぐるみなどを代わりに添い寝させてもいいですね。
第2段階は、ベッドサイドで椅子に座ります。
ベッドと椅子はぴったりくっつけてください。
第1段階と同じく、必要なら手を添えてあげましょう。
手の代わりに足をベッドにのせても構いません。
子どもが嫌がる場合、最初は椅子に座る時間を短めにし、徐々に長くしていきます。
「ちょっとここで座ってから、一緒に寝ようね」などと声をかけてあげましょう。
椅子に座っていて退屈ならヘッドホンで音楽を聞くのもいいでしょう。
とにかくお母さんがリラックスしていないと、子どもの寝つきも悪くなります。
ベッドの中にお気に入りのぬいぐるみをいくつか入れておくのも効果的です。
友達と一緒に寝る感覚になるからです。
しかも、「ベッドの中がいっぱいだから、ママはここに座るね」といった口実にもなります。
第3段階は椅子をベッドから少し遠ざけます。
せいぜい1メートル程度です。
子どもが不安がるようなら、お母さんが足をベッドに投げ出してもいいでしょう。
お母さんが一緒にベッドに入らないことに子どもが慣れてきたら、次の段階に進みましょう。
第4段階は、椅子を壁まで遠ざけます。
たとえばナイトライトの近くに移動して、「今日は読みたい本があるから、ママはここに座ってるね」などと話しかけると自然です。
第5段階は、ドアを開けて部屋のすぐ外に椅子を置きます。
ただし、ベッドからはお母さんの姿が見える位置にしてください。
「こっちのほうが明るくて本が読みやすいから移動するね」などと声をかけます。
子どもはお母さんがいなくなることが不安なわけですから、ときどきわざと軽く咳払いをしたり、静かに鼻歌を歌ったり、ページをめくる音を立てるなどすると、子どもに安心感を与えることができます。
第6段階は、部屋から出て子どもが見えない位置に移動します。
いつでも子どもと話ができる距離は保ちましょう。
こどもを安心させるため、第5段階と同じように、最初の2、3日はときどき音を立ててあげてください。
特に問題ないようなら、次の2、3日は音を立てず静かに見守りましょう。
お母さんを呼ぶこともなく、静かに寝つくようになったら、しめたもの。
短時間の寝かしつけに成功です。
お母さんはゆっくり自分の時間を使うことができます。
ただし、怖い夢を見たり、突然目が覚めてしまったりしたときはお母さんを呼ぶ可能性があるので、子どもの声に注意してください。
それぞれの段階にどの程度時間をかけるかは、年齢や性格によって個人差があります。
数日で次の段階に進む場合もあれば、1つの段階に1カ月かかることもあります。
子育ては競争ではありません。
無理をすれば、結局、遠回りになることもあります。
焦らずに、根気よく取り組みましょう。