赤ちゃんはちゃんと知っている
1歳2カ月の健司君はおたふくカゼにかかり、5日も熱が下がりませんでした。
解熱剤も何度か使っているのですが、微熱が続き、食事はほとんど受けつけません。
6日目の晩、ようやく熱が下がり、両あごの腫れも引いてきました。
健司君が眠りについた後、安心したお母さんはお風呂に入っていました。
すると、台所で何かガタガタ音が聞こえます。
あわてて浴室から出てみると、棚の下段の戸が開いているのです。
不思議に思ってあたりを見回すと、健司君が食事用のイスにちょこんと座り、手にベビーフードを持っているのにはびっくり仰天。
熱が下がった健司君は、空腹で目がさめたのでしょう。
いつもお母さんが自分のベビーフードを入れている棚を開け、目的のベビーフードをちゃんと探し当て、それを食べようとイスによじ登り、お母さんを待っていたのです。
お母さんは慌てて着替えると、急いでそのパックを開けて、健司君に食べさせました。
そしてほとんど食事を取っていなかった健司君は、パクパク美味しそうに食べたのです。
赤ちゃんを「小さいから何もわからない」と思い込むのは、大人の勝手な解釈ではないでしょうか。
健司君のように本当は赤ちゃんだって、どこに何があるかをちゃんと見ているし、大人の言葉を聞いているということを、私たちはもっと理解する必要があるのです。
しつけも、「まだ小さい」「わからない」と先延ばしにせずに、0歳の赤ちゃんの頃から、いけないことはいけないと、きちんと伝えていかなくてはなりません。
ただし、あれもいけない、これもいけないと禁止ばかりするのではなく、大きく自由を認めながら、けじめをつける場ではピシッと叱って絶対に譲らないこと。
そうすればあなたの子どもは「言うことをきかない子」にはなりません。