乳児期の食について

乳児期|体や整理代謝が急速に成長するとき


生まれてから約1年のあいだを乳児期といいますが、この時期は
身体の大変化をとげる時期です。

このうち最初の1か月間は新生児期と呼ばれて区別されています。

というのも、胎児が母親の子宮内で呼吸や必要な栄養素の摂取を受動的に行っていた胎児が、生まれたあと子宮の外の環境に適応するために、身体的に大きな変化をする時期だからです。

新生児は体のさまざまな機能が未熟ですが、順調に生育して出生した新生児は、母乳や市販の粉ミルクを消化吸収する機能をもっています。

 

成長が著しい乳児

乳児期は一生のなかでもとくに体や生理代謝が著しく成長、発達する時期で個人差はありますが、1年間で体重は約3倍、身長は1.5倍にも増加するのです。

また、甘味や苦味などの味覚を感じたり、母親を認識したり、声を出したりと精神や知性、運動機能などにどんどん成長していきます。

まさに毎日進歩していくという時期なのです。

この時期の栄養代謝系には、成人には見られない特徴があります。

とくにさまざまな酵素の生成が発育にしたがって増加します。

 

乳児期の栄養|発育のためにはどんな栄養素が大切?

乳児期は消化吸収を行う器官が未熟なので、この時期の栄養は母乳からとるのがいちばんよいと思われます。

母乳には乳児の発育に必要な栄養素が豊富に含まれており、とくに出産後4~5日に分泌される初乳は、タンパク質やミネラル、免疫物質などを多く含み、糖質や脂肪が少ないため新生児が健康に育つには最適な栄養分です。

一方、出産後10日以上たってから出る母乳は成乳といい、乳汁成分には個人差が出ます。

母親がタバコを吸ったり、お酒を飲んだりすることに影響を受けるのでなるべく控えるようにしたいです。

もし母乳栄養ができない場合は人工栄養で補います。

その際は、市販の乳児用調整粉末を利用するのが安全で便利です。

ただし哺乳びんなどの衛生に十分気をつけること。

乳児期の発育は一生のうちでもっとも著しいため、生後5か月を過ぎると母乳のみの栄養では足りなくなってきます。

とくに鉄などのミネラルやビタミンなどが不足しがちで栄養障害を引き起こしたりするので、発育にしたがって母乳以外のものから栄養をとることが必要です。

これが離乳です。

離乳は発育に合わせましょう

離乳とは、乳汁のみを与えられている乳児に、半固形食や固形食を与えて幼児の食事へと移行させる手段のことです。

離乳のために与えられる食物を離乳食といいますね。

でも、乳児は消化管が十分に発達していないので消化吸収能力に応じた食物を選ぶことが大切になります。

たとえば離乳初期なら、離乳食は、「つぶしがゆ」などドロドロしたもの、中期には「全がゆ」など舌でつぶせるものといったように、段階を踏んで与えるようにします。

 

◎離乳食を進めるときはこんなことに注意して◎

①進め方や食品の量は目安なので個人差を考えて調節を。

②離乳食が3回となり量が多くなってくると離乳食後の母乳またはミルクも飲まなくなる。

③離乳食以外の母乳やミルクの回数は6~8か月で4回、9~11か月で3回の場合も。

④肉や魚の代わりに、豆腐や納豆、チーズなどのタンパク質食品も利用する。

⑤野菜には適当にくだものを加える。

⑥海藻類は適宜、利用する。

⑦油脂はバター、マーガリン、植物油を適量使う。

⑧食塩や砂糖は多すぎないように注意する。

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