「栄養がよい」の本当の意味
「栄養がよいものを食べなさい」などとよくいわれるが、「栄養がよい」とはいったいどんな状態なのでしょうか?
昔は、「質のよい食物を十分に摂取した状態」という意味でした。
ところが、食糧が十分にある現代では、むしろ栄養素を過剰にとったり、偏った摂取をしたり、ということが考えられるので必ずしも正しいとはいえません。
本当に栄養がよい状態とは、「その人が、健康な生命活動を営むのにちょうどよい食物摂取をしている状態」といえるでしょう。
そして、この状態をどうやって得るかを科学的に追求するのが栄養学なのですね。
食品の栄養成分を知るには食品には、主に五大栄養素と水が含まれています。
食品を食べるときに、どんな栄養素がどれだけ含まれているかは効率のよい栄養摂取のポイントです。
しかし、あらゆる食品の栄養成分の量と種類をいちいち測るのは不可能なので、そのために食品成分表があります。
食品成分表には、日ごろ食べている食品の栄養素の量が表されています。
ただし、食品の成分は種類や作られた環境など、さまざまな要因で変化するので必ずしも数値と実際が一致するとは限らないために、あくまでも目安と考えるようにしましょう。
食生活の変化
日本人の栄養事情は、戦後70年間の大きな食生活の変化によって、栄養素の摂取量も大きく変わっていきました。
とくに、昭和48年ごろまでに動物性タンパク質と動物性脂質の摂取量が激増します。
一方、カルシウムは不足していく傾向になりました。
外食が多い現代人はよく考えて、食事をとるようにしなければなりません。
優れた栄養も取りすぎは禁物
栄養がよいとは「その人が、健康な生命活動を営むのにちょうどよい食物摂取をしている状態」であると先ほど述べました。
しかし、戦後70年間の食生活の変化で、動物性タンパク質や脂質の摂取が激増し、今や一部のビタミンやミネラルをのぞけば栄養素は過剰に摂取されている状態です。
さらに、交通手段の発達などによる運動不足も深刻化してきました。
食物から摂取したエネルギーが消費したエネルギー量より多ければ、余った分のエネルギーは脂肪細胞にたくわえられていきます。
それが過剰になると肥満になり、生活習慣病など健康に害を及ほす危険性が高くなります。
ですから十分に気を付けて、栄養の偏りが無いように日々の食生活には心配りをしていきましょう。