人間の体は暗いと眠くなります|子ども部屋の照明に気配りを
明るい光が子どもの体の起動ボタンだとすれば、暗さは活動停止ボタンに相当します。
暗くなると、睡眠を促すメラトニン(松果体ホルモン)の分泌が促進されます。
そこで、睡眠前の1、2時間は部屋の照明を薄暗くして眠りやすい環境を整えます。
とはいえ、真っ暗では何もできませんので、暗いナイトライトを上手に使いましょう。
電球は小さく暗めのタイプが適しています。できれば、オレンジ色系(太陽光タイプ)の光よりも、月明かりのように、やや青みがかった光のほうが効果的です。
夜中にこのライトを点灯しているときに目を覚ましてしまうなら、たとえ大人には大した明るさでなくても、子どもには明るすぎる証拠です。
ライトの光が、子どもの起動ボタンをオンにしているのです。
また、夜間のおむつ交換や授乳、トイレなどで、子どもを起こす場合も光に注意してください。
部屋の照明や冷蔵庫を開けたときの灯りでも、子どもの体が朝と勘違いして反応してしまうことがあります。
米国ブリガム・アンド・ウィメンズ病院では、光による体内時計のリセット効果を長年にわたって調査してきました。
その結果、3メートル先にある100ワット電球の光でさえも体内時計をリセットできることがわかりました。
子どもの感覚は光に敏感です
深夜の授乳や子どもをトイレに連れて行くときには、小型のナイトライトやペンライトなどを使い、最低限の明るさでなるべく短時間に抑えるよう心がけてください。
それでも、思わぬところから光が飛び込んできます。
廊下やリビングルームなどの照明の光が、ドアの隙間から子ども部屋にもれていることもあります。
カーテンの隙間から入り込む街灯の光や外を行き交う車のライト、早朝の朝日、隣家の灯りなども睡眠中の子どもに作用し、深夜や早朝に目覚めさせてしまう可能性があります。
遮光力ーテンやブラインドを利用すると、このような光の侵入を防ぐことができます。
厚紙やアルミホイルを窓の内側に貼るだけでも効果があります。
暗闇を怖がる子どもの場合、薄暗いナイトライトを点灯したり、小さな懐中電灯を枕元に用意したりしておけば、恐怖感が和らぎます。
就寝から起床まで子どもの寝室をなるべく暗い状態に保つことは、睡眠時間とそうでない時間のメリハリをつけるうえでも非常に大切なポイントです。
照明器具は、なるべく子ども部屋に合わせて、楽しく夢のある世界を演出できるものにしたいですね。
最近は色んな種類のシーリングライト(天井に取り付ける照明器具)がありますので、用途に合わせて選ばれると良いのではないでしょうか。