「言うことをきかない子」はお母さんがつくっています

Hさんの子どもは小学校五年生と三年生。

もう自分の身の回りのことはできていいはずなのに、いつも繰り返し繰り返し言わないとやりません。

 

「忘れ物がないか確かめて」「ハンカチ持った?」「靴をそろえなさい」「テレビは宿題終わってからでしょ」「もっとさがって見なさい」「手を洗ってから食べなさい」・・・同じことを四、五回言ってやっと動き出すという感じ。

 

そんな毎日にHさんも嫌気がさしているのですが、「一度言ったくらいじゃきかないから。親としては放っておくわけにもいかないし・・・」と、毎日毎日子供に注意を促し続けています。

 

「一度言ったくらいじゃきかない」のは、実はHさんが同じことを何度もしつこく言っているためです。

お母さんは一度しか言ってくれない、一度言われたことはやらないと自分が困るのだという体験をしていれば、子どもは自ずと自分で考えて行動するようになるものです。

きく必要のあるときには、一度できちんときくはずです。

 

「また、お母さんが何か言ってる。まあ、いいや、テレビ見てからやろう」「うるさいなあ、どっちでもいいことを毎日よく飽きもせず言ってるよ」「忘れ物したって、どうせ持ってきてもらえばいいんだし」

もし、子どもたちがこんなふうに思うのは、お母さんの子育ての結果にほかなりません

 

先生の話に耳を傾けない子ども

「はい、皆さん!」と先生の声は教室に響きましたが、注目している子どもは半数もいません。

入学式を終えたばかり、四月の小学校一年生の教室。

一昔前なら、緊張してそわそわしている子はいても、先生の言葉を聞きもらすまいという空気が感じられたものですが、最近は様子が違います。

 

近くの席の子とおしゃべりしている子もいれば、窓の外を眺めている子、真新しい筆箱をいじっている子、それを横からじつと見ている子・・・とさまざまではありますが、先生の声はどこ吹く風かとでもいうように聞き流している子の、なんと多いことでしょう。

 

今や、学校の先生たちは生徒の目と耳をひきつけるために、あの手この手と工夫を凝らすのが大変です。

刺激的な娯楽に囲まれ、学校で習う知識は先取りしている今の子どもたちに関心を持たせる授業をするには、一筋縄ではいかないでしょう。

 

しかも、この頃の子どもたちは上述したように先生の話に耳を傾けないのです。

これでは授業がうまくいかないのも無理はありません。

 

大人が何を言っても聞き流すこうした子どもたちも、私たちが育ててきたものです。

反抗したり暴れたりするわけではないので目立ちませんが、コミュニケーションを拒否しているともいえる態度です。

大人の言うことなんて聞くに値しない」。

 

こうした子どもの姿は、実ははっきり反抗するよりずっと根深い問題を抱えているのです。