第一反抗期の「やだ」
子どもには、何から何まで「やだやだ・・・」と言うことをきかなくなる時期があります。
一歳二ヵ月過ぎから二歳くらいまでの子どもは、小さな反抗を繰り返すものです。
おむつを替えようとすると逃げ回る、着替えも「いや!」、ご飯も「これきらい、これ食べない・・・」、手をつなげば振り払う、何かといえば「いや!」。
歩いたりしゃべったりできるようになって可愛いと思っていたらこの調子ですから、お母さんは振り回されてしまうのですが、この時期の子どもは、自分と他者の違いに気づいて、自分の力を試しているのです。
お母さんの言った内容がいやだというよりも、「いや」と言ったらどうなるか、何でもかんでも「いや」と言ってみているといえるでしょう。
第一次反抗期とは、乳児期から幼児期のあいだに迎える反抗期のことですが、魔の2歳児、悪魔の3歳児・・・(笑)という表現をする人がいるように、この時期の子どもたちは急に扱いにくくなったように感じるかもしれません。
この頃の子どもたちは、赤ちゃんから子どもへと成長する、とても大切な時期なのです。
拒絶や癇癪が起こりやすい第一次反抗期は、自我が芽生えたことによって起こる行動のひとつです。
おむつ替えや着替えのとき、逃げるのを追いかけるとますます逃げ回るようになりますが、「じゃあ、いいよ」とお母さんが別の仕事を始めると、自分のほうから寄ってくることが多いものです。
お母さんの反応を見て行動しているのです。
声かけには「変化球」を
声かけには「変化球」を使ってみると、案外いい結果を生むものです。
たとえば「早くごはんを食べなさい」というよりも「あったかいうちに食べてほしいってごはんが待ってるよ」とか「お出かけだから靴を履いて」というよりも「今日はどの靴を履いておでかけをする?」と選ばせてみる等々です。
どんな言葉が効くか、どんな言い回しが効くかは個人差があります。どの子にも必ず効く「魔法の言葉」なんてものは存在しませんので、根気よく試してみてはいかがでしょうか?
効き目があるかどうかは、子どもたちの気分次第。
やっかいではありますが、いろいろな角度から声かけの変化球を投げてみましょう。
しかし、時間の余裕があるときや、どの服を着るかなどどちらでも大差ないことに関しては子どもの好きなようにさせるけれども、急いで出かけなければならないときや、人を傷つけたり食べものを粗末にしたりといった、許すわけにいかないことに関しては、子どもが泣いても暴れても親の考えで押し通すことが必要になります。
そうするなかで、子どもに「自分にも力はあるけれど、何でも思い通りにできるわけではないんだ」ということを理解させていくと、言葉でのやりとりができるようになる頃には、むやみやたらとわがままな自己主張をすることは少なくなっていくものです。
このように、一、二歳児の「やだやだ」は、多かれ少なかれ誰にもあるといってよいのですが、問題は言葉で自己主張できる年齢になっても、いつでも何でも「言うことをきかない子」の場合です。